news【メルマガ】インテージヘルスケアなるほど!通信 vol.7 デジタルヘルス時代の予兆! 

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┗■ コラム:デジタルヘルス時代の予兆!
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当メルマガですでに扱った「睡眠市場」「免疫市場」などのテーマをはじめ、コロナ禍を経て、ヘルスケア市場において様々な変化が起きています。今回のメルマガは、「デジタルヘルス」についてのご紹介です。

あなたはデジタルヘルス機器の活用に満足していますか

ウェアラブルデバイスでの睡眠チェック、スマートフォンでの歩数確認、スマートウォッチでの運動量や心拍数の記録…これらはすべて「デジタルヘルス」の一部です。しかし、これらのデータは本当に私たちの健康管理に役立っているのでしょうか?

毎年行う健康診断の結果は、専用サイトで確認できるようになってきました。その一覧表をみるたび、各種運動量、睡眠状況や食事時間やカロリー数、脈拍数や心拍数などのデータと一緒にみることができれば、体重変化の要因や、各検査値の変化の参考になり、対策や持続的な運動のためのモチベーションにつながるのではと感じています。

■ 「デジタルヘルス」の進化

「デジタルヘルス」は、私たちの生活に大きな変革をもたらす可能性を秘めているのではないでしょうか。今後「デジタルヘルス」が我々の生活にどのような影響をもたらすかを把握するため、2つの世界的なヘルスケア機関がどのように「デジタルヘルス」を定義し、取り組みをしているかを見てみましょう。

世界保健機関(WHO)は、まず「e ヘルス(e-health)」を “ヘルスケアサービス、健康観察、健康に関する文献や教育、知識、研究など、健康と健康関連分野を支えるための費用対効果が高く安全な情報通信技術の利用” と定義しています。そして「e ヘルス(e-health)」に加え「モバイルヘルス(mHealth)」を追加し「デジタルヘルス」としています。

米国食品医薬品局(FDA)は、2020年にデジタルヘルス技術に関するセンターを立ち上げ、モバイルヘルス機器、医療機器としてのソフトウェア(SaMD)、医療機器として使用する場合のウェアラブル機器、医療製品の研究に使用される技術などに焦点を当ていくことを表明しています。

参考:https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2022/cba9066cb65f4ce5/202203.pdf

これらの定義や取り組みは、今後デジタルヘルスはさらに進化していくことを示唆していると思います。つまり「デジタルヘルス」は、ウェアラブルデバイスやスマートウォッチなどの「ハード機器」だけでなく、「ソフトウェア(SaMD)やアプリ」、「オンライン技術」や「診断技術」の総合体であると考えているようです。ハード、ソフト、通信の技術に加え、「人工知能」を組み合わせたサービスによって、近い将来、誰でも使えて、具体的に健康に役に立つ、進化した「デジタルヘルス時代」の到来は、想像に難くないのではと考えています。

■ 加速する、世界のデジタルヘルス市場

現在の世界のデジタルヘルス市場はどのように推移するのでしょうか。世界のデジタルヘルス市場規模は、2022年の値ですが3,759億9,000万米ドルと評価されています。2023年予測の4,527億9,000万米ドルから2030年までに1兆9,653億米ドルと、年平均成長率23.3%で大きく成長すると予測している機関もあります。

https://www.fortunebusinessinsights.com/jp/業界-レポート/デジタルヘルス市場-100227 より引用

各国の社会保障や医療システムの違いはありますが、特に北米では先端技術に対する受容性の高まりなどでより高い成長率になると推測されています。

■ 日本における、医療用アプリ

日本では、デジタルヘルス領域の一部である「ソフトウェア(SaMD)やアプリ」において、厚生労働省が承認している3つの「医療用(治療用)アプリ」が注目を集めています。

  • ニコチン依存症治療用アプリ及びCOチェッカー 「CureApp SC」(2020年承認・保険適用)
  • 高血圧治療用補助アプリ「CureApp HT」(2022年承認)
  • 不眠障害用アプリ 「サスメド Med CBT-i」2023年承認)

「医療用(治療用)アプリ」においては、日本の法規制や承認プロセスのスピードに課題があるといわれていましたが、国を中心に検討が進められており、今後さらなる拡大が期待できると考えられます。

■ 日本における、未病領域デジタルヘルス
 (当社自主企画調査「2022年 生活健康基礎調査」より)

当社自主企画調査「2022年生活健康基礎調査」で下記のようにデジタル機器の利用実態を聴取しました。「スマートフォンなどのアプリ」での記録は「歩数」21.1%、「体重」8.5%、「睡眠時間や睡眠の質」3.2%、「運動時の記録」3.1%となっています。「ウェアラブルウォッチ」では「歩数」4.3%、「心拍数」2.7%、「睡眠時間や睡眠の質」2.6%、「運動時の記録」2.2%となっています。

「睡眠時間や睡眠の質」「運動時の記録」「心拍数」は、「スマートフォンなどのアプリ」「ウェアラブルウォッチ」では5%未満ですが、ウェアラブルデバイスの購入によって、「歩数」だけでなくその他機能を使用することが多くなったのではないでしょうか。また推測ですが、昨年「睡眠市場」テーマでメルマガの特集をしましたが、ウェアラブルデバイスの普及が「睡眠市場活性化」の一役を担っていたのかもしれません。

今後、ハード機器であるウェアラブルデバイスの普及と機能追加によって、未病領域の「睡眠時間や睡眠の質」「運動時の記録」「心拍数」「心電図」「血圧」など、多くの生活者がさらに精度の高いデータでトラッキングするようになると考えられます。

■ 日本におけるデジタルヘルス市場、拡大の可能性

前述のように、日本においても「医療領域」「未病領域」の両分野でデジタルヘルス市場の新たな予兆が顕在化してきています。

医療領域においては、先ほどの「医療用(治療用)アプリ」を筆頭に、「遠隔医療システム」「オンライン診療・薬局」「医療ビッグデータ分析」などのサービスが大きく拡大するものと考えられます。

未病領域の健康増進・予防においては、デジタルヘルスの市場拡大のポテンシャルは、まだまだあると考えられます。具体的には、ウェアラブルデバイスやスマートフォンなどのデジタルデバイスから得られるデータを用いて疾患のリスクを分析する「デジタルバイオマーカー」、「健康に関する知識を提供する健康教育」や「OTC市販薬の効果的な使い方のための情報提供」、「PHR(パーソナルヘルスレコード)管理アプリ」「食事栄養管理アプリ」「ストレス管理アプリ」なども「あえて医療領域と区別すること」で、有力なビジネスになるものと考えられます。
さらにこれらのサービスにおいては、センサー技術の精度向上や人工知能 (AI)の活用によって、何段階もの進化が繰り返されるものと考えられ、それに伴いデジタルヘルス市場も拡大すると考えられます。

■ 最後に

以上、日本におけるデジタルヘルス市場拡大における有力なサービスについて記述しましたが、サービスコンセプトとして非常に大きな可能性があることは、だれもが認めるところではないかと想像しています。

しかし、それらのサービスが一般生活者に普及するためには「効果があること」「費用対効果」「使い勝手」に加え、そもそも「ニーズが顕在化しているのか」が大切なポイントとなります。本当に「右肩上がりの市場」になるかについては、一般生活者の「デジタルヘルスに対してのニーズ」や「現在のデジタルヘルス利用実態」のデータ分析は不可欠です。

現時点では、上記にあげたような一般生活者におけるデジタルヘルスの「ニーズ」や「利用実態」については、当社でも自主企画調査などで把握し、ご提供できればと考えております。
また、デジタルヘルスに関する調査の依頼も増えてきております。今後も皆様のビジネスにお役立ていただけるデータを提供していきたいと思います。

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