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┗■ コラム：注目の「セルフヘルスケア」市場 若年層獲得のカギは？
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高齢化が進み、増え続ける医療費が課題となっている昨今、「セルフヘルスケア」への期待が高まっています。また、コロナ禍を経験する中で、健康であることの重要性や価値も改めて認識されるようになりました。
今回は、そんなセルフヘルスケア市場の一角を占める「健康食品・サプリメント」市場の実態と今後についてご紹介します。
■健康食品・サプリメント市場のシェアTOPは「健康維持・増進」
健康食品・サプリメント市場のシェアを47のヘルスベネフィット（生活者の期待する健康への機能・効果）別に見ていくと、「健康維持・増進」「美肌・肌ケア」「栄養バランス」などのヘルスベネフィットが上位に挙がっており、上位5つで市場規模の約３割を占めています。
▶ヘルスベネフィット別の市場シェアTOP5（図表1）
＜47のヘルスベネフィットについて＞
この分類には工夫を凝らしており、たとえば一般に「ダイエット」と呼ばれているカテゴリについては「減量（ウェイト・ロス）」と「痩身（スリミング）」の二つに分類したり、広く「滋養強壮」と定義されているカテゴリを「健康維持・増進」「疲労回復」「体力の増強・減退対策」「精力の増強・減衰対策」「活力増進（やる気アップ）」と細分化するなどしています。
この市場においては、同じ商品（成分）が異なる期待を持って利用される場合も多いことから、生活者からの効果に対する期待ベースでの見方をしております。
■「美肌・肌ケア」や「栄養バランス」は 若年層における対処意向も高い
次に、今後、健康食品・サプリメントで対処したいことを見ていくと、「疲労回復」「美肌・肌ケア」「健康維持・増進」が上位に挙がっています。
▶今後、健康食品・サプリメントで対処したいこと（現在対処していることを含む）TOP5（図表2）
現在のシェアTOP5と今後対処したいことのTOP5を併せて見ると、「疲労回復」「美肌・肌ケア」「健康維持・増進」「栄養バランス」の４つはどちらのTOP5にも含まれており、現在のシェアが大きいだけでなく、今後の成長も期待できるヘルスベネフィットであると言えます。
その４つのヘルスベネフィットについての今後の意向を年代別 に見ていくと、「疲労回復」は30～50歳代の中年層、「健康維持・増進」は60～70歳代の高年層が特徴的に高くなっている一方で、「美肌・肌ケア」や「栄養バランス」は 20～30歳代の若年から中年層で高いことが特徴です。
▶今後、健康食品・サプリメントで対処したいこと（現在対処していることを含む）：年代別（図表3）
■若年層獲得のキーワードは「栄養バランス」や「完全食」
健康食品・サプリメントの主使用品を最初に購入したきっかけとして、20歳代では「食事の乱れや偏りが気になりだした」が特徴的に高くなっています。
▶健康食品・サプリメントの主使用品を最初に購入したきっかけ（図表4）
また、20歳代が「栄養の補給・栄養バランス」を意識して摂る食品として上位に挙がっている「納豆」「豆腐類」「ヨーグルト」などは、他年代と比較すると摂取率は低くなっている中、「栄養バランス食品」は他年代と比較しても高くなっています。
▶「栄養の補給・栄養バランス」を意識して摂る食品・飲料（図表5）
このことから、手軽に栄養補給が出来る健食・サプリや栄養バランス食品が、”食事の乱れや偏りは気になるが、体に良い食品をバランスよくとるのは難しい”という若年層のニーズにマッチしていると言えそうです。
近年では、1食あたりに必要な栄養素をすべて含む食品である「完全食（完全栄養食）」への注目も集まっており、食事タイプやドリンクタイプなど、幅広い形状の商品が発売されています。
今後のセルフヘルスケア市場の中核を担う若年層においては、”体の健康に必要な栄養素を、手軽にバランスよく摂りたい”というニーズを満たしていくことがポイントになりそうです。
また、普段の食事の乱れや偏りに対する不安感や罪悪感を払拭できるように、”健康に良いことをしている”という心理的な満足感・安心感が得られるかどうかも重要な点と思われます。
インテージヘルスケアでは、今後も市場動向や生活者ニーズに関する情報収集・分析に取り組んでいきます。
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