news2019年10月度 市販薬(OTC)市場 薬効別ランキング

2019年10月度 市販薬(OTC)市場 薬効別ランキング
消費税増税後の買い控えなどで前年比1割減
買いだめ・買い控えの影響を受けた薬効は?

当社は、全国一般用医薬品(OTC)販売動向調査のデータを基に、「2019年10月度 市販薬(※1)市場 薬効別ランキング」を発表しました。

※1 市販薬:ドラッグストアや薬局で販売される一般用医薬品(OTC)のこと。当社データは指定医薬部外品を含みます。

調査結果

◆ 10月度の販売金額は、消費税増税後の買い控えで874億円、前年同月比マイナス11.4%「市販薬市場の販売金額推移」

10月度の市販薬の市場規模は874億円、前年同月比88.6%と大幅に減少し、過去5年の10月で最も販売金額が小さい結果となりました。
この要因は消費税増税後の買い控えによるものですが、そのほかに甚大な被害をもたらした台風19号によって店舗の臨時休業や交通機関の計画運休などが相次いだことも、売上に影響をおよぼしました。

◆ 消費税増税後の買い控えの影響で、多くの薬効で前年割れ。「好調薬効トップ5、不調薬効ワースト5(金額前年同月差)」

10月の市販薬市場は、全42薬効のうち38薬効で前年割れとなりました。大幅なマイナスとなったのは、9月に買いだめ傾向が強かったビタミンB1剤や滋養強壮剤などでした。また前年に比べて気温が高く体調を崩す人が少なかったことが影響してか、総合感冒薬やミニドリンク剤の滋養液製品などの風邪関連薬は不調が目立つ結果となりました。

◆ 増税前後で比較的好調だったのは、総合ビタミン剤、整腸薬、膚用薬(殺菌消毒剤除く)、鼻炎治療剤など

薬効別に、9月の増加率(買いだめ)と10月の減少率(買い控え)をグラフ上にプロットしたところ、増税前後における薬効別の好調・不調の傾向を確認できました。その背景を4つのグループに分けて分析しました。

【Aグループの薬効】
買いだめが多かったのに買い控えが少なかった(好調だった)薬効は、総合ビタミン剤、整腸薬、皮膚用薬(殺菌消毒剤除く)などでした。買い控え傾向が見られなかった要因として、総合ビタミン剤では、ゼリー状ドロップ剤などの一部の商品がインバウンド消費に支えられた背景があります。皮膚用薬では、気温が比較的高かったことで虫刺され薬が好調だったこと、整腸薬では常備薬としての整腸剤は買い控え傾向が強かったものの、対処薬としての下痢止めが比較的堅調だったことが挙げられます。

【Bグループの薬効】
買いだめが少なかったのに買い控えが多かった(不調だった)薬効は、総合感冒薬やミニドリンク剤など風邪に関連する商品が含まれています。これは10月の気温が高めだったことで体調を崩す人が少なかった背景などが考えられます。

【Cグループの薬効】
買いだめ・買い控えともに多かった(増税前後で動きが大きかった)薬効は、滋養強壮剤、ビタミンB1剤、毛髪用剤、便秘薬などの常備薬や高額商品などまとめ買いの傾向が強い商品でした。

【Dグループの薬効】
買いだめ・買い控えともに少なかった(増税前後で動きが小さかった)薬効は、口腔用薬、鎮咳去痰剤、解熱鎮痛剤、外用鎮痛消炎剤などで、これらは症状が出てから購入する傾向にある商品であるため、増税の影響が少なかったと考えられます。

SDI(全国一般用医薬品パネル調査)◆1960年調査開始 

※2018年4月度から調査設計を変更しました

対象業態OTC医薬品を販売しているドラッグストア、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア
エリア
全国
調査店舗数3,245店舗
データ収集方法POSデータのオンライン収集
対象カテゴリー医薬品、指定医薬部外品
(対象カテゴリーのバーコードが付与されている商品のみ)
調査項目各店舗におけるバーコード別の販売年月日、販売個数、販売金額など
プレスリリース

株式会社インテージヘルスケア

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