news医師に調査!「地域医療に貢献している」製薬企業ランキング

医師の年代によって異なる製薬企業への期待
満足度の高い医療従事者向けの勉強会とは!?

当社は、全国の医師1万6000人を対象に、製薬企業のMR(※1)活動や取り組みを通じて感じている 「地域医療における製薬企業の貢献度」や「製薬企業に期待すること」を 昨年に引き続き調査しました。

調査結果のポイント

  • 日々のMR活動も、地域医療への貢献の一環として医師に評価されている
  • 若手医師は「地域に関する情報提供」、50代以上の医師は「教育・連携の機会」に期待している
  • 医療従事者向け勉強会の内容として、治療法などの最新情報や地域・施設の取り組み事例の共有などにニーズがあると推察される

調査結果

1.地域医療への貢献度とMR総合評価の関係は?

全国1万6000人の医師に、「地域医療に対して貢献していると思う製薬企業」について確認したところ、1位は武田薬品工業、2位が第一三共、3位は大塚製薬でした。 MRの総合評価ランキングと比べてみると、地域医療に貢献していると評価されたトップ10企業のうち8社がMR総合評価の上位にランクインしています。
製薬企業による自治体との連携などの取り組みだけでなく、医療用医薬品に関する情報提供や患者情報・安全性情報の収集といった日々のMR活動も、地域医療へ貢献する重要な役割として医師に認識されているのかもしれません。

2.若手医師は「地域に関する情報提供」、50代以上の医師は「教育・連携の機会」に期待

それでは、医師は具体的にどのようなことを期待しているのでしょうか。

「地域医療について製薬企業に期待すること」を確認したところ、最も多かったのは「医療従事者(※2)に向けた勉強会の実施」で、全体の約38%でした。次いで、「地域における他施設の動向に関する情報提供」、「医師会や他施設とタイアップした研究会の実施」となっています。 この傾向は昨年の調査結果と変わりなく、依然として期待度が高いことがわかりました。

また、医師の年代によって製薬企業に期待することが異なることも明らかになりました。若手の医師は、「地域における他施設の動向に関する情報提供」や「地域における患者の特徴に関する情報提供」など、“地域に関する情報”を期待しており、50代以上の医師になると、「医療従事者に向けた勉強会の実施」や「医師会や他施設とタイアップした研究会の実施」といった“教育・連携の機会”についての関心が高い傾向にあります。「地域医療について製薬メーカーに期待することはない」と回答している医師も15%ほどおり、年代が高くなるにつれて増えていました。

3.医師の期待に沿った地域医療への取り組みとは?

製薬企業による地域医療への参画が進む中で、具体的にどのような取り組みを企画・実行すべきか、その糸口を見出せていない企業も多いのではないでしょうか。「地域医療について製薬企業に期待すること」の回答から、項目間の関係性を分析することで、背景に潜む医師の意図を推察しました。

最も回答した割合が高かった「医療従事者に向けた勉強会の実施」は、「医師会や他施設とタイアップした研究会の実施」と「疾患領域における幅広い情報提供」の両方を回答した医師の79.6%に選択されていました。このことから、この2項目とは強い結びつきがあり、医療従事者向けの勉強会を開催する際のコンテンツとして考慮することが推奨されます。例えば、疾患疫学だけでなく、治療法などアップデートされていく情報の提供や、エリアの医師会・他の施設と連携し、取り組み事例の共有などの内容を盛り込むことで、医師の満足度の高い勉強会になると考えられます。

また、「医療従事者に向けた勉強会の実施」と「エビデンス(※3)に基づく薬剤の使用提案」を選択した医師の多くは、「疾患領域における幅広い情報提供」も選択しており、それは全体の中で「疾患領域における幅広い情報提供」を選んだ割合の2.4倍となっていました。すなわち、「医療従事者に向けた勉強会の実施」や「エビデンスに基づく薬剤の使用提案」にニーズのある医師は、「疾患領域における幅広い情報提供」を求めているケースが多いと考えられ、このように対象医師を明らかにして期待されているアプローチを行うことでより効率的に活動できることが示唆されました。

【考察】 変化する環境に対応したMR活動を

今回の調査から、若手の医師は地域に関する情報提供を期待しており、ベテランになるほど教育・連携についての関心が高くなっているなど、年代によって地域医療について製薬企業に求めることが変化することがわかりました。また、調査結果の詳細な分析により、その背景にある医師の意図を推測することもできました。
他方、4月から医療用医薬品の適正使用の確保と保健衛生の向上を目的として、医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインが施行されています。日常的に情報提供・収集・伝達を行うMRには、ガイドラインの目的を正しく理解しながら、医師のニーズに合わせた活動を行うことで、地域医療に貢献することが望まれているのかもしれません。
それゆえ、医師などの医療従事者が求めている情報を知るために双方向の対話を行ったり、地域や医師に関するオープンデータやアンケート結果などを利活用したりすることが、今後さらに重要になってくるのではないでしょうか。

分析担当: メディカル・ソリューション部 室伏 俊昭

※1:製薬企業の医薬情報担当者。自社の医薬品の適正使用のために医師らを訪問し、医薬品 に関する情報の提供、収集、伝達などを行う
※2:医師や看護師、薬剤師、臨床検査技師など医療業務に従事する者
※3:臨床試験等の結果から導かれた科学的根拠

調査概要

調査方法Webアンケート調査「MR評価(Rep-i)」
調査地域全国
調査対象医師
有効回答数16,115サンプル
  病院勤務医(20床以上) 12,563サンプル
  開業医(19床以下)     3,552サンプル
調査実施期間2019年2月
  ※2011年より継続調査
  ※年2回実施(8月、2月)
調査主体株式会社インテージヘルスケア メディカル・ソリューション部
調査内容MRの総合評価、項目別評価、要改善項目等を確認
プレスリリース


株式会社インテージヘルスケア

SHARE

facebooktwitter

関連サービス