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新規ビジネス座談会

START-UP BUSINESS

Close-up

医療と人の未来を見据えて。
変化を「待つ」のではなく
「生み出していく」、
ベンチャーマインドとアクション。

わが国の医療を取り巻く環境が大きく変化している。そこに求められているのは、患者をはじめとする“医療消費者”の視点だ。インテージヘルスケアはその新しい風を自ら巻き起こしていくために、これから枠組みにとらわれない新規ビジネスの創出に挑んでいく。その担い手となる気鋭の2人に話を聞いた。

MEMBER

  • 経営企画本部
    リンク&アライアンス室
  • 紫竹 宏亮(2006年新卒入社)
- Profile

入社後、医療用医薬品のアドホック調査*1に携わる。2014年、シンジケート調査*2の部門に異動。2021年、社長と経営企画本部長に声をかけられ、リンク&アライアンス室の発足に向けて準備・企画を担当することに。同年7月、同室の新設とともに室長に就く。

*1 アドホック調査:顧客の課題解決のために、その都度手法や対象者をカスタマイズして実施する調査のこと。
*2 シンジケート調査:複数顧客への提供を目的として、医療消費者・医師を対象に行う自主企画調査のこと。

  • データ・サイエンス事業部
    医療経済・アウトカムリサーチ室
  • 室伏 俊昭(2017年中途入社)
- Profile

MRの仕事を通じて医薬品の価値の最大化に興味を持ち、当社に転職。入社後、医療用医薬品のシンジケート調査を担当。次第に「社会活動と医療の価値」に関心を持ち、社内公募を通じて2019年から医療経済・アウトカムリサーチ室を兼務。2020年より同室に専任。

※所属組織・インタービューは取材当時の内容です

新規ビジネスに携わることになった経緯

新規ビジネスに
携わることになった経緯

室伏

紫竹さんは、現在どんなことをされているのですか?

紫竹

私が現在所属している部門は、社内・社外連携と新規ビジネスの創出を目指して2021年7月に発足したのですが、当時の社長と経営企画本部長から声をかけられたことがきっかけでした。リーダーとして部門の立ち上げから関わることになり、グループから横断的に集まったメンバーと共に、日々知恵を出し合って業務に取り組んでいます。室伏さんもやりたいことがあって異動しましたよね?

室伏

社長直々にお話が来るところがうちの会社らしいですね。
私は以前から医薬品などの経済性や地域医療などの医療政策の立案・社会実装に関心があって、関連するセミナーには時間の許す限り積極的に参加していました。現在所属している部門ではそれに関連する業務を行っており、自分を試す意味も含めて社内公募制度を利用して異動しました。

紫竹

そうでしたね。室伏さんとは前々からそんな話をよくしていましたから、希望の部門に行けることになって良かった。「頑張ってこい!」と気持ちよく送り出したのを覚えています。

現在取り組んでいるビジネスについて

現在取り組んでいる
ビジネスについて

紫竹

ところで室伏さんは所属している部門ではどのような業務を担当しているのですか?

室伏

私は主に「医療経済分析」と「アウトカムリサーチ」を担当しています。
医療における「アウトカム」とは医薬品・医療機器など医療技術の使用によって得られる結果・成果のことを指しています。現在は、「アウトカム」の1つである患者さんのQOL *3を収集・使用して、医療技術の費用対効果評価に代表される医療経済分析に関連する業務を実施しています。またその他にも、疾患や治療が患者さんの日常生活に及ぼす影響や選好を「アウトカム」として、それを収集・分析するためにインタビューやアンケートといった手法を用いたリサーチを実施しています。しかし、これらの業務はまだ日本においては本格化したばかり。特に費用対効果評価における国内の専門家は限られているような状況です。私が加わったのは、まさにそれを新規ビジネスとして立ち上げたタイミングでした。当社がこれまで培ってきたノウハウを活かして、今まさに自分たちなりのサービスを確立しているところです。
ところで、紫竹さんたちの部門では、どんな取り組みを進めているのですか?

紫竹

私が進めているのは、社内の多様な部門の連携や、外部企業とのアライアンス検討です。こうしたつながりを作っていくことが、新規ビジネス創出を促進していくためには欠かせません。そこで今は他社との協働企画でWebinar開催するなど、種蒔きをしているところ。3年後、5年後といった将来に向けて立てた目標に向かって、一歩ずつ前進している真っ最中です。新規ビジネスのアイデアを社内から広く募る公募制度も予定しています。

室伏

今は、各所との連携を強化したり、未来に向けた種蒔きをしたりしている段階なのですね。

紫竹

そうなのです。日々メンバーそれぞれが、各部門の情報を集めたり直接話を聞きに行ったり。まだ動き始めて間もないのですが、すでに部門長と提案書のやりとりにまで発展しているものもあり、社内のあちこちに「種」が埋まっていることを実感しています。この「種」を丁寧に育てて「実」にしていく。今後は、そうした先のステップも見据えていく必要があります。

*3 QOL:Quality of lifeの略。生活の質のこと。

新規ビジネスを発想するために大切なこと

新規ビジネスを発想するために
大切なこと

室伏

新しいビジネスを「発想」していくために意識していることはありますか?

紫竹

私は「まったく新しい0→1のビジネス」というよりは、「既にある事業から1→10のビジネス」をメインに考えています。「1→10のビジネス」を考える際、今ある事業に社内の別アセットをくっ付けたり、社外の別事業を紐づけたりして、何ができるのかを日々考えています。ニュースも意識しないと情報収集で終わってしまうのですけど、業界問わず意識しながら見ると意外と社内事業との親和性とか、横の繋がりなんかも考えたり想像できたりして楽しいです。

室伏

その感覚、わかります! 私もたとえばプロジェクトのことを考えている時、現状あるものをうまく活用してハンドリングしながらも、「○○なデータがあれば一発で解決するのに……」と妄想しています。ビジネスチャンスは、この「あったらいいな」という発想から生まれてくると思うのですよね。

紫竹

確かに。では、その新規ビジネスを「実現」していくためにはどのようなマインドが大切だと思いますか?

室伏

そうですね……。“やり続けること”でしょうか。新規ビジネスって、ゼロからのスタートなわけでしょう。それですぐに成功する人はおそらくいないと思うのですよね。必ず、その過程で何かしらの失敗に遭遇する。だからこそ大切なのは、失敗を避けることではなく、失敗をおそれず楽しむことだと思います。
一番いけないのは、失敗することよりも、何もしないこと。たとえ失敗を繰り返しても、その経験値を活かしながら納得できるまで突き進んで最終的によいものが提供できればと思っています。

紫竹

その通りですね。当社にはチャレンジに伴う失敗はいくらでも受け入れる風土があります。私たちの部門でも、そんなマインドで社内の新規ビジネスをサポートしていくつもりです。

新規ビジネスの創出に向いている人材とは

新規ビジネスの創出に
向いている人材とは

紫竹

話は少し変わりますが、採用面談で学生さんたちと会っていると、最近、失敗や挫折を恐れている若い人が多いように感じます。そんな人たちには、恐れることはないとアドバイスしたいですね。私もそうでしたが、何より就職活動そのものが失敗の連続みたいなものですから。

室伏

では、紫竹さんはこれからどんな若い人たちと一緒に仕事をしていきたいと思っていますか?

紫竹

多少枠からはずれてもいいから、「やりたい!」と思うことを持っている人。そしてその目標に向かって努力できる人かな。さらに言えば、努力を努力と思わず仕事にのめり込める人は強いと思います。

室伏

私も同じですね。何か得意なことがあって、それを医療やリサーチの世界で活かしたいと考えている人にはとても魅力的な会社だと思います。多様な部門があって各分野に精通した専門家が集まっているので、新しい知識やスキルを学ぶチャンスも限りなくあります。

紫竹

そうですね。極端な言い方をするなら、“若いうちは仕事に時間を費やして自分を磨きたい人”がいいですね。「ワークライフバランス」って言葉は1日・1か月・1年という短期間ですけど、人生で考えたら「ワークライフチョイス」という考えをしてほしいです。20代はがむしゃらに仕事をして、30代は結婚・子育てで少しバランスをとって、40-50代で子どもの教育や親の介護をしながらワークを抑えて、50-60代は最後のやり残しに向けてラストスパートする。結局のところ20-30代のスキルが他ならぬ自分自身の人生を左右するのであって、それに気付いて毎日自分で考えて意見を持ち、強い想いを持ってこだわった仕事をしてほしいです。基本的にうちの会社の人たちってみんな優しいので、しっかりとした意志さえあれば、誰もがとことん教えてサポートしてくれます。とても恵まれた環境なので、意欲さえあればどこまでも成長できる会社だと思っています。

医療と社会のために、やり遂げてみたいこと

医療と社会のために、
やり遂げてみたいこと

紫竹

室伏さんは、これから新規ビジネスを通じてどんなことを成し遂げていきたいと考えていますか?

室伏

今取り組んでいる「医療経済分析」や「アウトカムリサーチ」には、従来のような臨床的なデータだけではなく、医薬品などを実際に使っている患者さんの実感やQOLを使用する特徴があります。この特徴を活かして「医療消費者」、つまり患者さんをはじめとする生活者の視点から、医療における新しい価値の創造や医療全体の進歩に貢献していきたいですね。また、新しい分野なので私を含め各メンバーの専門性やスキルを高めながら、海外学会への発表などにも積極的に取り組んでいこうと考えています。紫竹さんはいかがですか?

紫竹

私は実をいうと、室伏さんほど医療へのこだわりはないのですよね。でも、グループも含めると当社には医療ばかりでなく生活者の多様なデータが蓄積されています。そんなノウハウを活かしながら、もっと広い分野で新しいビジネスに携われたら楽しいですね。

室伏

部門のリーダーとしては、当社にどのような変化を生み出していきたいと思っていますか?

紫竹

そうですね。新規ビジネスというとハードルが高いと思われがちですが、大切なのはチャレンジしようというマインド。これから入社してくる若い人たちを含め、前向きな挑戦を後押しするような環境を整えていきたいですし、その環境を活かしていってほしいですね。