HEOR・エビデンス構築支援
希少疾患の介護に関する質的研究
企業・組織
- 医療用医薬品
- 質的研究
事例概要
目的
このプロジェクトの目的は、ある希少疾患の介護者(家族)の疾病負担を把握することでした。より具体的には、症状の発生・認知・治療開始から現在までの経過を通して、疾病負担や介護負担が介護者に与える影響・精神的負担を明らかにすることでした。
研究デザイン
当社は、希少疾患の介護者が属する患者団体にリクルートの協力を依頼し、患者団体と当社パネルの双方からリクルートを行いました。その結果、介護者約30名と治療医約20名に質的研究の手法を用いたインタビューを実施することができました。介護者自身と、介護者と対峙する医師の両方にインタビューを実施することで、より多面的な示唆が得られると考えました。
成果
インタビューの結果、多くの介護者は、症状が発症し診断を受けた時期に、強いショックや絶望感、将来への不安を感じていたことが分かりました。治療開始以降の時期には、良好な治療効果が得られないことや介護のために自分の時間が取れないことにストレスを感じたという事例が多く見られました。また、介護施設や支援サービスのリソースが不足していることや、介護者への情報提供・相談体制の不足を指摘する声も上がりました。さらに、多くの医師においても、疾病負担や介護負担が介護者へ精神的な負担を与えていることや、支援サービスが不足していることについて介護者と意見が一致していることが分かりました。
本調査結果により、介護者の精神的負担が明らかとなり、満たされていないニーズや介護者へのサポートの重要性が示唆されました。