newsインテージヘルスケア、北海道大学 AI創薬による環状ペプチドの低分子化に関する共同研究を開始

インテージヘルスケア、北海道大学
AI創薬による環状ペプチドの低分子化に関する共同研究を開始

株式会社インテージヘルスケア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:村井啓太)と国立大学法人北海道大学大学院薬学研究院(北海道札幌市北区、大学院薬学研究院長:木原章雄)は、AI創薬による環状ペプチド(※1)の低分子化に関する共同研究を開始しました。

■共同研究の概要
北海道大学大学院薬学研究院が行う「ヒストンメチル化酵素複合体(※2)を標的とした環状ペプチド誘導体の設計・合成と構造活性相関」の研究開発テーマにおいて、インテージヘルスケアなどのもつAI創薬プラットフォーム「Deep Quartet (ディープカルテット)」をはじめとする技術を活用し、環状ペプチドの低分子化に関する研究開発を行います。環状ペプチドは、新しい創薬モダリティ(※3)として注目されていますが、同時にその低分子化のニーズも高く、多くの研究機関で研究開発が行われております。

■共同研究の背景
北海道大学では、同大学大学院薬学研究院の薬師寺文華准教授が行う、ヒストンメチル化酵素複合体を標的とした環状ペプチド誘導体の設計・合成と構造活性相関に関する研究を進めてきました。この研究ではヒストンメチル化を行う酵素複合体の活性を、化合物により制御することを目指しており、所望の活性を示す新規化合物の創製は、先進的な医薬品の創出につながることが期待されています。
インテージヘルスケアは、株式会社理論創薬研究所、株式会社アフィニティサイエンスとともに、AI創薬による実践的な新規化合物デザインを製薬企業および大学などの研究機関と進めております。
共同研究では、インテージヘルスケアにおいて先の環状ペプチドの情報をもとにしたAIによる化合物構造のデザインが行われ、北海道大学はデザインされた低分子化合物の化学合成と評価実験等を行い、新薬開発を目指します。

また、この共同研究はインテージヘルスケアが実施する「インテージヘルスケアAI創薬アカデミックプログラム(INTAGE Healthcare AI drug discovery Academic Program:IAAP)」の一環として実施するものです。

※1 環状ペプチド:タンパク質の構成成分であるアミノ酸が、数個から数十個程度、環状につながりできた分子のこと

※2 ヒストンメチル化酵素複合体:細胞核内タンパク質であるヒストンのメチル化を触媒する酵素に複数のタンパク質が組み合わさり複合体を形成したもの

※3 創薬モダリティ:低分子薬、抗体医薬、核酸医薬、細胞治療、遺伝子細胞治療、遺伝子治療といった治療手段の種別のこと

「インテージヘルスケアAI創薬アカデミックプログラム」について

AI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」などAIによる計算アプローチにより新薬開発の化合物探索及び化合物デザインを行うとともに、インテージヘルスケアが化合物の提供までを行うことにより、アカデミアの持つ研究テーマにおいて医薬品候補化合物を見出す共同研究によるスタートアッププログラムです。
アカデミアのもつ研究テーマとモデルに対して、インテージヘルスケアらがAIによる化合物デザインを行い実際の化合物までを提供、アカデミアにてin vivo ないしは in vitroの評価実験を行い、新薬の候補化合を見出そうとするものです。
このプログラムによりAI創薬による医薬品開発を促進し、加速させます。

「Deep Quartet(ディープカルテット)」について

AI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」は、インテージヘルスケアと株式会社理論創薬研究所、株式会社アフィニティサイエンスが3社連携で提供するサービスです。「Deep Quartet」は、深層強化学習の技術である(1)Deep reinforcement learning、ファーマコフォアモデルを用いるソフトウェア(2)LigandScout、網羅的なターゲット予測を可能とする機械学習ベースの技術(3)CzeekSを組み合わせた一連のフローであり、ここに (4)メディシナルケミスト(有機合成化学者)の知見を加えることで、Quartet(四重奏)によるAI創薬プラットフォームを実現しています。
技術の詳細や事例については、以下の論文を参照ください。

・Design and synthesis of DDR1 inhibitors with a desired pharmacophore using deep generative models. ChemMedChem 2021;16:955–58.
・Strategies for design of molecular structures with a desired pharmacophore using deep reinforcement learning. Chem Pharm Bull (Tokyo) 2020;68(3):227-33

プレスリリース

株式会社インテージヘルスケア

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