news「メタバースだから気楽に話せる」30~40歳代のがん患者が座談会 ~インテージヘルスケア、新たなインタビュー手法でより深い考察を~

当社とmonoAI technology(モノアイテクノロジー)株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:本城嘉太郎)は、30~40歳代のがん患者を対象にメタバース(※1)プラットフォーム「XR CLOUD」を活用した座談会を開催しました。

背景と目的

インテージヘルスケアはこれまで、さまざまな疾患の患者を対象とした調査を実施しており、近年は対面に加えてオンラインでのインタビューも増えています。今回、がん患者を対象とした座談会をメタバース上で実施。「自身の姿を他者に見せたくない」「プライベートな話題は話しにくい」などの不安が参加者にある場合の新たなインタビューの手法として、メタバース座談会の有用性を確認しました。

調査概要と参加者の感想

座談会は2回に分けて実施し、テーマは「あなたにとって心地よいオンライン上のつながりとは」「がんになって自分自身が勘違いしていたと思うこと、周囲の勘違いや偏見を感じることはあるか」など。各回にさまざまながん種の患者3~4人が集まり、モデレーター(進行役)が提示したテーマを中心に意見を出し、感想を話しました。

参加者が自身の顔を現すことなく、アバター(※2)を通じて意見を述べたり意思表示したりできることが、メタバース座談会の大きな特徴の一つ。参加者の満足度は高く、次のような感想が上がりました。

「病気はかなりプライベートなこと。アバターを使って話せたので、安心して気持ちをさらけ出せた」「顔を出さなくてよいので、自分の疾患について率直に深い話ができてよかった」「ほかの参加者がアバターでリアクションを示してくれたので、安心して話すことができた」「アバターのキャラクターがすごくかわいいと感じた」

これらの感想から、アバターの使用によって発言への心理的なハードルが下がったことがうかがわれ、またアバターのリアクションから互いの反応を可視化できたり、キャラクターに愛着を持てたりしたこともメタバース座談会の高い満足度につながったと推察されます。

本座談会のレポートは後日、インテージヘルスケアのウェブサイトで公開を予定しています。

インテージヘルスケア調査担当者のコメント

メタバースでのインタビューは、適する年齢層など、対象者との親和性を加味する必要があります。しかし、操作は比較的容易であり、参加者のプライバシーに関する不安を軽減できるメリットは大きいと考えます。今回のメタバース座談会では、「顔を現したくない」と考える参加者から、「アバターを使うことで深い話ができる」という感想が得られており、このことはより深い分析や考察につながる可能性もあります。
テーマや体調により、また治療の過程で容姿に変化が生じた場合など、「姿を現さずに話したい」という要望に対する一つのインタビュー手法として、メタバースを用いる調査の効果を測っていきたいと考えています。

XR CLOUDについて

monoAI technologyは、数万人が同時に接続可能な企業向けメタバースプラットフォーム「XR CLOUD」を提供しており、商談会や国際会議、会社説明会など、数多くのイベントを実施しています。独自に開発した大規模通信基盤を搭載したXR CLOUDは、顧客企業への技術提供による高い拡張性を特徴とするほか、PC/スマホ/タブレットなどの幅広いデバイスに対応しており、それぞれのニーズに合うイベントをメタバース上で開催することが可能です。また、会話の内容に対して「拍手」「同意」「悩み中」などのアクションボタンを押して自分の気持ちを表現できます。
今回のメタバース座談会において参加者は、事前に用意されたアバターから任意のキャラクターを選び、互いをニックネームで呼び合いました。

※1 メタバース:インターネット上につくられた仮想空間のことを指す。メタバースの利用者は3DCG空間で自分の姿をアバターに変え、他者と交流したりコンテンツを楽しんだり、商品売買などの経済活動を行ったりすることができる
※2 アバター:仮想空間上で利用者の「分身」のように表示させるキャラクターのこと

プレスリリース


株式会社インテージヘルスケア

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