newsAI創薬プラットフォームで高い成果 独自プロジェクトで癌や免疫疾患領域の化合物をデザイン

大手製薬企業との共同検証で化合物を実合成
AI創薬プラットフォームで高い成果
独自プロジェクトで癌や免疫疾患領域の化合物をデザイン

株式会社インテージヘルスケアと、株式会社理論創薬研究所、株式会社アフィニティサイエンスの三社は、共同で提供するAI創薬プラットフォーム「Deep-Quartet」(ディープカルテット)を用いて、国内大手製薬企業との共同検証を行ってきました。その結果、新規骨格で高い活性(IC50で数十nMオーダー)(※1)を持つ化合物を得るなどの優れた成果を出しました。この製薬企業は、すでに本共同検証プロジェクトから技術移転を受け、社内での活用を進めています。
また、「Deep-Quartet」を提供する同三社は、さらなる技術開発を独自に進め、癌や免疫疾患領域をターゲットに、新規の化学構造デザイン(※2)から実合成・評価までを実施する2つの自主開発プロジェクトにおいて、すでに高活性化合物を得ています。これらの成果と知見は、今後、論文による発表のほか、インテージヘルスケアが開催するオンラインセミナー(10月8日、Webinar開催)において詳細を報告する予定です。

※1 IC50は50%阻害濃度。化合物の生化学的阻害作用の有効度を示す値。数十nM(ナノモーラー)はリード化合物に期待される活性の強さの指標となる濃度
※2 de novoデザイン

[担当者コメント]

「Deep-Quartet」の提供を開始してからおよそ1年間、多くのプロジェクトに活用いただき、成果を得られています。これまでのプロジェクトを通して改めて確認することができた重要なポイントは、AI技術とメドケム(※3)の知見をいかに融合させ、AIから提示される化学構造を対話的に選択できるかという点です。「Deep-Quartet」は、AIとメドケムのコミュニケーションプラットフォームの役割を果たし、化合物最適化や骨格変換において、研究開発を加速し、飛躍させることを確認しました。これらの成果は、創薬研究においてAIをどのように位置づけ、取り入れるべきかという観点においても重要な知見となったと考えています。

株式会社インテージヘルスケア 創薬支援室長 村上 竜太

※3 メドケム:メディシナルケミスト、創薬化学者のこと

「Deep-Quartet」 (ディープカルテット)について

AI創薬プラットフォーム「Deep-Quartet」は、深層強化学習の技術である(1)Deep Reinforcement Learning、ファーマコフォアモデルを用いるソフトウェア(2)LigandScout、網羅的なターゲット予測を可能とする機械学習ベースの技術(3)CzeekSを組み合わせた一連のフローであり、ここに製薬企業各社の(4)メディシナルケミストの知見を加えることで、Quartet(四重奏)によるAI創薬プラットフォームを実現するという意味を込めています。

技術の一部は以下論文に掲載
Chemical and Pharmaceutical Bulletin(Chem. Pharm. Bull. 68, 227–233 (2020))

プレスリリース

株式会社インテージヘルスケア

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