医療機関の受診か、市販薬の使用か 症状と重さで変化する生活者の行動パターン 16~79歳の男女2,523人の意識・実態を調査
株式会社インテージヘルスケア(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:村井啓太)は、京浜・京阪神の16~79歳の男女2,523人を対象に、「健康」に関する意識と実態の把握を目的とした自主企画調査「生活健康基礎調査 2026(第36回)」を実施しました。今回はその中から、症状が現れた場合に行う対処方法やその理由について分析しました。
ポイント
- 症状が現れた場合に医療機関を受診すると思う割合は、「発熱[高熱]」(84.2%)が最も高く、次いで「慢性的な頭痛、片頭痛」(56.5%)。主な理由は「医師の診断を受けたい」「薬を処方してほしい」
- 市販薬を使用すると思う割合は、「一時的な頭痛」(62.5%)が最も高く、次いで「かぜ」(58.2%)、「喉の痛み」(56.7%)、「発熱[微熱]」(56.6%)。「市販薬で十分な効果があると思う」が主な理由で、「買い置きの市販薬がある」「医療機関を受診する時間や手間を省ける」など利便性も重視される市販薬を使用すると思う割合は、「一時的な頭痛」(62.5%)が最も高く、次いで「かぜ」(58.2%)、「喉の痛み」(56.7%)、「発熱[微熱]」(56.6%)。「市販薬で十分な効果があると思う」が主な理由で、「買い置きの市販薬がある」「医療機関を受診する時間や手間を省ける」など利便性も重視される
- 「慢性的な頭痛、片頭痛」や「発熱[高熱]」では、医療機関の受診が多く選択される一方、「一時的な頭痛」「発熱[微熱]」では「市販薬の使用のみ」「医療機関の受診・市販薬の使用のどちらも選択しない」割合が高い
1.「高熱」は医療機関の受診、「一時的な頭痛」「かぜ」では市販薬の使用が選択される
生活者に当社指定の32種類※1の症状について、症状が現れた場合、実際に行うと思う対処方法を複数回答で確認しました。その結果、医療機関を受診すると思う割合は「発熱[高熱](84.2%)」が最も高く、次いで「慢性的な頭痛、片頭痛(56.5%)」、「発疹(湿疹・じんましん含む)(54.7%)」、「アレルギーによる肌のかゆみ(49.9%)」、「歯茎のはれ・出血(48.4%)」となりました。(図1)医療機関を受診すると思う理由には、「医師の診断を受けたい」「薬を処方してほしい」「治療を受けたい」が多く挙げられています。
一方、症状が現れた場合に市販薬を使用すると思う割合は、「一時的な頭痛(62.5%)」が最も高く、次いで「かぜ(58.2%)」、「喉の痛み(56.7%)」、「発熱[微熱](56.6%)」、「鼻づまり・鼻水(54.7%)」となりました。(図2)市販薬を使用すると思う理由は、「市販薬で十分な効果があると思う」の他、「買い置きの市販薬がある」「医療機関を受診する時間や手間を省ける」といった利便性・手軽さが主な理由となっています。
(図1)症状が現れた場合、「医療機関を受診する」と思う症状(上位5症状)

(図2)症状が現れた場合、「市販薬を使用する」と思う症状(上位5症状)

複数回答:回答ベース・不明者を除く全数
2.同じ「頭痛」「発熱」でも、症状の程度や経過によって対処方法が分かれる
「頭痛」と「発熱」について、症状が現れた場合に実際に行うと思う対処方法として「医療機関を受診する」「市販薬を使用する」の2項目に着目して、それぞれの選択有無により4つの区分に整理しました。(図3)すると同じ種類の症状でも、程度や経過によって対処の仕方が大きく異なることがわかりました。
【頭痛】
「慢性的な頭痛、片頭痛」は「医療機関の受診のみ」が44.1%、「医療機関の受診と市販薬の使用のどちらも選択」が12.4%で、医療機関の受診を選択した人は計56.5%となります。一方、「一時的な頭痛」では「医療機関の受診のみ」は6.3%、「どちらも選択」は3.3%で、「市販薬の使用のみ」が59.2%と半数以上を占めています。
【発熱】
「発熱[高熱]」は「医療機関の受診のみ」が69.5%で最も多くなっているのに対し、「発熱[微熱]」では「市販薬の使用のみ」が52.8%と多くなっています。なお、発熱時に医療機関の受診を検討する体温を確認したところ、「38.0℃以上」が41.3%で最も多い結果となりました(図4)。
このように、慢性的な頭痛、片頭痛や高熱では医療機関の受診を軸に対処方法が検討される傾向が強い一方、一時的な頭痛や微熱では市販薬のみを選ぶ人が多くみられます。生活者は症状の程度や続き方に応じて、対処方法を分けて考えていることがうかがえます。なお、「一時的な頭痛」と「発熱[微熱]」については、「医療機関の受診・市販薬の使用のどちらも選択なし」がそれぞれ3割を超えていて、どちらも選択しない人の内訳としては「安静にして様子を見る」や「何もしない」が多くを占めています。
(図3)症状が現れた場合、実際に行うと思う対処方法

複数回答:回答ベース・不明者を除く全数
(図4)発熱時に医療機関の受診を検討する体温

単数回答:回答ベース・不明者を除く全数
※1 当社指定の調査対象症状(32種類):慢性的な頭痛、片頭痛、一時的な頭痛、発熱[微熱]、発熱[高熱]、かぜ、喉の痛み、せき・たん、鼻づまり・鼻水、花粉症、歯茎のはれ・出血、胃の痛み、胃もたれ、胸やけ、胃酸逆流・胃酸過多、下痢・軟便、便秘、肩や首筋のこり、背中や腰の痛み、関節痛、しわ、しみ・そばかす、にきび・吹き出物、肌荒れ、発疹(湿疹・じんましん含む)、アレルギーによる肌のかゆみ、乾燥による肌のかゆみ、水虫、肥満・太り気味、薄毛・抜け毛、頻尿・尿失禁、更年期の諸症状、(該当者のみ)生理前・生理中の腹痛やイライラなど
考察
今回の分析から、生活者は症状の種類だけでなく、その程度や経過に応じて、「医療機関の受診」「市販薬の活用」などの対処方法を使い分けていることがわかりました。
たとえば、「慢性的な頭痛、片頭痛」や「発熱[高熱]」では医療機関の受診を軸に対処が検討される一方、「一時的な頭痛」や「発熱[微熱]」では市販薬の使用のみを選択する割合が高く、受診も市販薬も選択しない(安静にして様子を見る、何もしないなど)層も一定数みられます。
十分な休養をとることに加え、症状や状況に応じて市販薬を適切に活用することも、セルフメディケーションにおける選択肢の一つです。生活者が症状をそのまま放置するのではなく、状況に応じて市販薬を選択できるよう、市販薬の適正な使用や、医療機関を受診する目安などの情報を、わかりやすく伝えていく必要があります。
セルフメディケーションの推進や医療資源の効率的な活用が求められる中、生活者が自身の症状に合わせて適切な対処方法を選択できる環境を整えることが、今後ますます重要になると考えられます。
インテージヘルスケアでは、今後も生活者の健康に関する行動や意識の変化を注視し、有用な情報の発信に努めてまいります。
マーケティング&バリューインサイト事業部 ヘルスケアリサーチ3部 上野 和子
◆生活健康基礎調査について
「生活健康基礎調査」は、生活者の健康状態・健康意識、市販薬の使用実態を捉え、市販薬と生活者との関わりに関する経年データを整備することを目的としたもので、本年で36回目となります。なお、このリリースは本調査の中から、調査結果を抜粋して作成しています。
| 調査対象者 | 16~79歳の男女個人 ※2018年から対象年齢上限を69歳から79歳に拡大 |
| 調査地域 | 京浜・京阪神 |
| 調査方法 | 郵送調査 |
| サンプル抽出 | 株式会社インテージが保有する郵送調査モニターを対象に、 国勢調査による人口構成比に合わせて割当抽出 |
| 有効サンプル数 | 男女計2,523サンプル |
| 調査実施期間 | 2026年4月8日(水)~2026年5月20日(水) |
| 調査主体 | 株式会社インテージヘルスケア マーケティング&バリューインサイト事業部 ヘルスケアリサーチ3部 |
| サンプルレポート | レポートのサンプルは下記ページよりお申し込みください https://www.intage-healthcare.co.jp/download/lifestylehealthbasics_reportsample/ |