news2020年7月度 市販薬(OTC)市場トレンド

2020年7月度 市販薬(OTC)市場トレンド
“マスク荒れ”が増加? 湿疹・皮膚炎治療薬が前年比106.4%
“自粛太り”で肥満対策の漢方薬も好調!

当社は、全国一般用医薬品(OTC)販売動向調査のデータを基に、「2020年7月度 市販薬(※1)市場トレンド」を発表しました。

※1 市販薬:ドラッグストアや薬局で販売される一般用医薬品(OTC)のこと。当社データは指定医薬部外品を含みます。

調査結果

◆ 7月度の販売金額は918億で過去5年間の7月としては最低水準。新型コロナに加え、記録的豪雨や長引いた梅雨なども影響した「市販薬市場の販売金額推移」

7月度の市販薬の市場規模は918億円、前年同月比は96.5%で、過去5年間の7月の販売金額の平均を100とした場合の指数では97.1と最低水準でした。新型コロナウイルスによる影響だけでなく、記録的な豪雨や長引く梅雨など、月間を通じて全国的に悪天候だったことが消費全般を押し下げる要因となりました。

◆ 殺菌消毒剤は引き続き大幅増の前年比406%。皮膚用薬好調要因は”マスク荒れ”対処に加え、皮膚科受診率の減少も影響か「主要薬効の販売金額および前年比」

市場全体への影響要因としては、依然として新型コロナウイルスによるものが大きいものの、気候の変化とともに需要に動きが見られます。

[好調だった薬効]
販売金額上位10薬効の中で最も好調だったのは殺菌消毒剤で、前年同月比406.0%、52.5億円と過去の販売金額を更新し続けています。その中でもジェルタイプを中心とした手指消毒剤が前年同月比で約20倍の42.0億円という記録的な売上に。新製品が相次いで発売(※2)されたことも要因としてあげられます。
漢方薬は、前年同月比109.8%、49.8億円と2か月連続で好調でした。肥満・脂肪対策の防風通聖散が5月以降に伸びていて、7月は前年同月比111.0%の11.3億円。自粛による運動不足などで肥満を気にする人が増えていることもうかがえます。また気圧変動による不調に対処するという新しい効能効果を訴求した五苓散が、前年同月比299.1%の2.1億円と好調で、今後の需要も見込まれます。
ほぼ前年並みの99.4%だった皮膚用薬(殺菌消毒剤を除く)の中では、湿疹・皮膚炎対処用の治療薬が前年同月比106.4%の26.2億円で、化膿やにきび対処用の製品も好調でした。この背景には、気温が暑くなりマスク着用による肌荒れに悩む人が増加したことに加え、医療機関でのコロナ感染を懸念してか皮膚科を受診する患者が減少(※3)していることなどがあると考えられます。中には、包装パッケージの効能効果を分かりやすく表現したものに変更し、販売を大幅に伸ばしている製品シリーズもあります。

※2 4月以降の販売製品数は約160品目で推移していたが、7月に194品目に増加(当社商品マスタによる)
※3 株式会社医療情報総合研究所 JMIRI処方情報データベース より(株式会社医療情報総合研究所は2021年7月、株式会社インテージリアルワールドへ社名を変更いたしました)

[不調だった薬効]
夏場に売れる傾向にあるドリンク剤は外出自粛の影響を大きく受け、前年同月比89.8%、79.1億円でした。特に店頭で購入してその場で飲める1本タイプの落ち込みが目立ち、コンビニエンスストアなどでも売れ行き不振となっています。
胃腸薬は前年同月比97.4%、鎮暈剤(乗り物酔い止め)は45.3%と大幅な不振が続いています。いずれの前年同月比も2月に急激に下がり始め、4月に底を打ち、5月以降は改善傾向にあります。
前年同月比89.5%だった外用鎮痛・消炎剤は、貼り薬や塗り薬などインバウンド需要の激減により不振が続いていますが、訪日観光客による購買の割合が少ない店舗では、影響はあまりないようです。

SDI(全国一般用医薬品パネル調査)◆1960年調査開始 

※2018年4月度から調査設計を変更しました

対象業態OTC医薬品を販売しているドラッグストア、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア
エリア
全国
調査店舗数3,245店舗
データ収集方法POSデータのオンライン収集
対象カテゴリー医薬品、指定医薬部外品
(対象カテゴリーのバーコードが付与されている商品のみ)
調査項目各店舗におけるバーコード別の販売年月日、販売個数、販売金額など
プレスリリース

株式会社インテージヘルスケア

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