news2020年6月度 市販薬(OTC)市場トレンド

2020年6月度 市販薬(OTC)市場トレンド
新型コロナウイルスの影響による不調がやや改善
風邪関連薬が前年比59.5%。感染予防習慣が定着?

当社は、全国一般用医薬品(OTC)販売動向調査のデータを基に、「2020年6月度 市販薬(※1)市場トレンド」を発表しました。

※1 市販薬:ドラッグストアや薬局で販売される一般用医薬品(OTC)のこと。当社データは指定医薬部外品を含みます。

調査結果

◆ 6月度の販売金額は871億円、前年同月比95.7%。過去5年間の6月の平均で2番目に低かったものの、前月に比べてやや改善傾向「市販薬市場の販売金額推移」

6月度の市販薬の市場規模は871億円、前年同月比は95.7%で、過去5年間の6月の販売金額の平均を100とした場合の指数で見ると2番目に低い97.4でした。5月までの前年比と比較するとやや改善は見られたものの、新型コロナウイルスの影響によって風邪関連薬(※2)やドリンク剤、訪日観光客に人気の薬効などでは記録的な不振が続く一方で、感染予防関連商品は引き続き好調でした。

※2 風邪関連薬市場:総合感冒薬、鎮咳去痰剤、口腔用薬、葛根湯(漢方薬)の合計

◆ 殺菌消毒剤は大幅増の前年比346%。皮膚用薬が好調を維持する一方で、総合感冒薬は上位10薬効から後退「主要薬効の販売金額および前年比」

[好調だった薬効]
新型コロナウイルスの影響による市場動向は、前月とほぼ変わりませんでした。
販売金額上位10薬効の中で、前年同月比で最も好調だったのは殺菌消毒剤で、前年比346.1%、43.1億円と過去最高の販売金額となりました。これはジェルタイプを中心とした手指消毒剤が前年比18.0倍の32.6億円という記録的な売上となったことによるものです。
次いで、皮膚用薬(殺菌消毒剤を除く)は前年比112.4%の92.5億円でした。その内訳を見ると、湿疹・皮膚炎対処用の治療薬が前年比122.0%の26.3億円、虫刺され治療薬が115.0%の33.8億円などとなっています。この背景には、アルコール消毒による手荒れや、マスクの継続的な着用による皮膚トラブルが増えていることが考えられます。また、気温が高めだったことと、日用雑貨品としての殺虫剤が好調であることからも、虫さされが増えていることがうかがえます。

[不調だった薬効]
出勤・旅行・外飲みなどの外出自粛の影響が大きいと考えられるのはドリンク剤です。前年比93.8%で、特に店頭で購入してその場で飲める1本タイプの落ち込みが目立っています。ほかにも胃腸薬が前年比93.6%、鎮暈剤(乗り物酔い止め)が41.2%などと大幅な不振が続いていますが、いずれも前年比では前月より改善が見られました。
総合感冒薬は、本調査がPOSデータのオンライン収集を開始した1996年4月以来初めて、販売金額上位10薬効からはずれて11位となり、前年比56.8%の33.8億円となりました。風邪関連薬の前年比は、鎮咳去痰剤が59.5%、のどスプレータイプの口腔用薬が63.2%、葛根湯が81.6%などと、前月に引き続き記録的な大幅マイナスとなっています。外出機会の減少に加え、マスクの着用、手洗い・うがいの習慣が定着し、風邪をひく人が少なくなっていると考えられます。また、風邪をひいた時の滋養強壮剤として売れるミニドリンク剤も81.9%となっています。
外用鎮痛・消炎剤も87.7%と不振でした。これはインバウンドに人気の貼り薬や塗り薬の需要が激減したことが主な要因です。

SDI(全国一般用医薬品パネル調査)◆1960年調査開始 

※2018年4月度から調査設計を変更しました

対象業態OTC医薬品を販売しているドラッグストア、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア
エリア
全国
調査店舗数3,245店舗
データ収集方法POSデータのオンライン収集
対象カテゴリー医薬品、指定医薬部外品
(対象カテゴリーのバーコードが付与されている商品のみ)
調査項目各店舗におけるバーコード別の販売年月日、販売個数、販売金額など
プレスリリース

株式会社インテージヘルスケア

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