news2020年9月度 市販薬(OTC)市場トレンド

2020年9月度 市販薬(OTC)市場トレンド
増税前の駆け込み需要があった昨年9月との比較で80.2%
殺菌消毒剤、うがい薬、禁煙補助剤は好調!

当社は、全国一般用医薬品(OTC)販売動向調査のデータを基に、「2020年9月度 市販薬(※1)市場トレンド」を発表しました。

※1 市販薬:ドラッグストアや薬局で販売される一般用医薬品(OTC)のこと。当社データは指定医薬部外品を含みます。

調査結果

◆ 9月度の販売金額は849億円、消費税増税前の駆け込み需要があった昨年9月との比較で80.2%と大幅マイナスとなった「市販薬市場の販売金額推移」

9月度の市販薬の市場規模は849億円でした。昨年9月に消費税増税前の駆け込み需要により市場が伸長したため、前年同月比は80.2%と大幅なマイナスとなりました。

◆ 多くの薬効が前年同月比マイナスの中、殺菌消毒剤、うがい薬、禁煙補助剤はプラスだった「主要薬効の販売金額および前年比」

[好調だった薬効]
全42薬効のうち前年同月比でプラスだったのは、殺菌消毒剤、うがい薬、禁煙補助剤の3薬効でした。
殺菌消毒剤は伸び率がやや鈍化しているものの、新型コロナウイルス感染予防対策として好調を維持し、販売金額37.8億円、前年同月比254.3%でした。その中のジェルタイプの手指消毒剤が1050.8%と好調であることが要因です。
うがい薬は12.6億円、前年同月比185.9%で、上位10社すべての製品で前年同月比プラスとなっています。
禁煙補助剤は4.0億円、前年同月比100.3%でした。3月頃から喫煙と新型コロナウイルス感染症の重症化リスクの関係性が取り沙汰されるようになったことや、10月1日からのたばこの増税を前に禁煙補助剤の需要が増えたことなども、プラスの要因と考えられます。

[不調だった薬効]
新型コロナウイルスの影響で不調が続いている薬効の動向は、あまり変わりません。
風邪関連薬(※2)の合計は76.8億円、前年同月比62.4%と大幅なマイナスとなっています。中でも総合感冒薬は43.5億円、前年同月比で見ると57.9%と最も不振で、上位10社すべての製品で前年同月比マイナスとなりました。マスクの着用や手洗い、うがいなどの感染症予防対策が定着したことなどにより、風邪をひく人が少なかったと推測されます。
外出自粛の影響を大きく受けて、前年同月比79.8%だった胃腸薬をはじめ、店頭で購入してその場で飲める1本タイプのドリンク剤・ミニドリンク剤や、鎮暈剤(乗り物酔い止め)、胃腸内服液なども不調が続いています。
インバウンドに人気のある外用鎮痛・消炎剤は、訪日観光客がほぼゼロの状態が続いているため前年同月比79.2%となっています。不調の中、リスク分類(※3)が第1類から第2類へ変更となったことで、より購入されやすくなり、販売金額を従来の2倍以上に伸ばした製品もありました。

※2 風邪関連薬市場:総合感冒薬、鎮咳去痰剤、口腔用薬(のどスプレータイプ)、葛根湯(漢方薬)の合計
※3 リスク分類:一般用医薬品は含有する成分を、使用方法の難しさ、相互作用(のみ合わせ)、副作用などの項目で評価し、要指導医薬品、第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品の4区分に分類される。これらの分類ごとに販売ルールが定められている。

SDI(全国一般用医薬品パネル調査)◆1960年調査開始 

※2018年4月度から調査設計を変更しました

対象業態OTC医薬品を販売しているドラッグストア、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア
エリア
全国
調査店舗数3,245店舗
データ収集方法POSデータのオンライン収集
対象カテゴリー医薬品、指定医薬部外品
(対象カテゴリーのバーコードが付与されている商品のみ)
調査項目各店舗におけるバーコード別の販売年月日、販売個数、販売金額など
プレスリリース

株式会社インテージヘルスケア

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